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女の車が見えなくなると私達はアパートへと入った。
昨日まで当たり前の様にいた、この部屋が何故か懐かしく感じる。
少し複雑な気持ちになりながらも私は1つ1つ荷物をまとめた。
2年もの間に私物はかなり増えている。
冬になったら出すはずだったコートやセーターをぐちゃぐちゃに丸めて鞄に押し込んだ。
「まだか?」
いつもの口調で凌は言う。
私が大好きだった凌の声。
「待ってよ!もう二度とこんな所に来たくないんだから忘れ物したら最悪でしょ!?」
「早くしろよ!女待ってるんだから!」
「はいはい!それにしても可愛い子見付けれて良かったね」
嫌みったらしく私が微笑むと
「お前の数倍、良い女だ」
って凌も笑った。
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