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荷物をまとめ始めて10分―…
コロン―…
何かがカゴの中から転がり落ちた
「あっ…」
なんで…
あんなに探したのに…
「どうした?」
なんで…
今になって…
「指輪…」
みつかるの?
「…あった」
「どこに?」
「このカゴの中」
「カゴの中って…お前その中めちゃめちゃ探してたのに?」
「うん…」
今更、見付かっても嬉しくない。
どうせならこのまま見付からない方が良かった。
思い出の詰まったこのペアリングが重く私に、のしかかる。
「いらないなら捨てとくけど?」
と言う凌に対し私は横に首を振った。
これぐらい思い出に持ってても良いよね?
凌を愛した証。
捨てるなんて言わないで…
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