記憶 第9話

別れ

8月17日

２年記念日を無事に終えた私達。

だが、今日も些細な事で喧嘩が始まった。

最近は喧嘩をしてもりんくは悲しそうに鳴く事はなくなっている。

きっと、りんくも私と同様、喧嘩に慣れてしまったのだろう。

私達が言い争っていてもケロッとしていた。

「なんなの!?私だって疲れてるんだよ！」

「はぁ？ふざけんな！何回、言ったらお前は分かるんだよ！お前！大概にしとけよ！」

「あんたこそ、大概にしてよね！もう出てくからっ！」

「早く出ていけ！」

私は苛々しながらもクローゼットから荷物を取り出した。

正直、こんな事は初めてではない

喧嘩をするとよく私はアパートを飛び出した。

そのたびに凌は私を探し迎えに来てくれる。

今日も同じ事だろうと必要な物だけを鞄に詰めた。