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「は…はい」
恐る恐る話す私。
「絵美ちゃん?今凌といる?あの子ったら何回かけても繋がらないのよ!」
電話越しで怒りを露わにする母親
「えっと…凌とは一緒にいないです…」
そう答えると母親は凌に【電話をかけ直す様に伝えてほしい】とだけ私に頼み電話を切った。
お母さんはまだ知らないんだ…
私は少し悩み、もう一度電話をかけ直した。
「はいはい!」
母親の明るい声に戸惑いながらも
「絵美です…実は私達…別れたんです…だから凌とはもう連絡がとれなくて…」
と話せば
「だから電話が繋がらないのね!あの子すぐ携帯壊すから!ごめんなさいね。どうせあの子が原因なんでしょ?」
と言う母親。
「いや…まぁ~…はい。」
さすがに私が携帯を壊したとは言えないが…
「やっぱり…分かったわ。結婚式はこっちでキャンセルにしておくから心配しないで。絵美ちゃんもこれからはあんな馬鹿みたいな男に捕まったらだめよ!あなたなら良い人がきっと見つかるから!」
お母さんに慰められるなんて…
変な気分だ。
「いや…凌は優しかったです…」
例え凌の母親でも凌を否定されたくはなかった。
「ありがとう。別れたのに電話してしまってごめんなさいね」
何度も何度も謝られた後
私は電話をきった。
これで全てが終わった。
そう思ったのに…
物語はまだ始まったばかりだったんだ。
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