運命 #2

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  「ここに来る前にも飲んでたんですか?」 明らかにかなりの酒を摂取している60代の教師。 「今日はなぁ~!ビアガーデンで飲んでから来た!俺はなぁ!よくこの店に来るんだぞ?だけどお前は初めて見る顔だよな?」」 「そうですね!1年ぐらい前から働いてるんですけどね」 空になったグラスを60代教師から受け取り酒を足す。 「お前!名前は?」 「絵美です!」 「どこに住んでるんだ?」 「春日(かすが)です」 「春日かぁ!春日には俺の親友が住んでて若い頃はよく遊びに行ったもんだ!で?お前の名前は?」 「え?さっき言ったじゃないですかぁ!絵美です!」 「そうだったか?で、どこに住んでるんだ?」 「春日ですってば!」 「あ~春日な!春日には俺の親友が住んでてなぁ、昔はよく―……で、名前は?」 「………」 駄目だ…完全に酔っ払っている。 仕事とは言え、会話にならない人と会話する事ほど苦痛な物はない 私は60代教師に気付かれぬ様 目の前にいる若教師に助けを求めた。
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