運命 #2

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チラチラと60代教師の目を盗んでは視線を送っていると意外にもすぐに気が付いてくれた若教師。 その間も60代教師は相変わらず同じ事を繰り返し話していた。 「中村先生~!彼女、困ってるじゃないですかぁ~!飲み過ぎですよ?」 60代教師は中村と言うらしい… 「そんな事はないぞ!俺は酔ってなんかいない!」 「いやいや~!さっきから同じ事ばっかり言ってるじゃないですか~!」 「そうか?すまんすまん!でもまだ歳は聞いてないよな?」 「あはは!それはまだ聞かれてないですね!私は22歳です!」 「22!?見えんなぁ…」 「よく言われます!結構老けて見られるんですよね」 「いやいや~!良い意味で大人っぽいんだよ!22って事は…お前と同い年か?」 中村先生は若教師に話しかける。 「え?同い年なんです?」 「そうみたいだね!俺も老けて見えたでしょ?」 正直、驚いた。 同い年で教師なんて…ましてや高校教師。 すごいなぁ… 「いやいや~!22歳で教師なんてあんまり聞かないから…凄いですね!」 「そんな事ないよ!たまたま大学を卒業してすぐに入社出来ただけだよ!絵美ちゃんは夜の仕事だけ?」 「本業はエステです!スナックはたまに手伝いで働いているんです!」 「掛け持ちかぁ!それこそ凄いよ!」 「いやいや~!そんな事ないですよ~!」 なんて私達は盛り上がっていた。
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