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すると少し黙っていた中村先生が口を開く。
「お前ら気が合うみたいだし番号でも交換しちゃえばぁ~?」
と突然、言い出した。
えぇ!?そ…そんな突然…
私は嬉しいけど…
チラッと若教師を見ると少し困った顔をしているから…
「何言ってるんですかぁ!」
とバシバシ中村先生の肩を叩いた。
「番号ぐらい良いだろ?こいつ良いやつだからさっ」
「まぁ…私は良いですけど…」
もう一度、若教師をチラ見。
「俺も良いけど…でも絶対彼氏いるでしょ?」
彼氏?
一瞬だけ凌の顔が脳裏に浮かんだが…
「残念ながらいないんです」
と私は笑った。
だが若教師は信じてくれない。
「うそだぁ!絶対にいる!」
「いや…本当にいないんですよ」
何度も言っているのに…
まったく信じようとしない若教師
すると少し離れた席に座っていたママが突然、会話に入ってきた。
「この子、本当にいないのよ!良い子でモテるとは思うんだけどね~!好きになると周りが見えなくなるタイプだから男は重たくなって逃げてっちゃうのよ!出会いも無ければ男運もない子でねぇ~」
とママは笑う。
【男運がない】ってのは言い過ぎだよ!
と心の中でツッコミを入れながら私も笑う。
「本当にいないの?」
まだ疑っている若教師。
まっ無理もないか…
私はホステスなんだから…
本当の話をする時もあれば嘘の話をする時もある。
だが今回は本当の話。
「だから~信じてくださいよ」
彼氏がいないのは本当だし…
それに…
仕事としてではなくプライベートとして彼と連絡が取りたい。
何故だか、そう思う私がいた。
今思えば一目惚れだったのかもしれない。
凌と終わらせてから1週間。
出会いは突然やってきた。
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