1.イソギンチャクと少女

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イソギンチャク 嗚呼イソギンチャク。 魚にその身を差し出すように 私を絡め取って 隠しておくれ。 深い深い海の底で 光も届かぬ海の底で 私と二人沈んでおくれ。 嗚呼イソギンチャク。 あなたは私のイソギンチャク。 こどもの頃に教科書に 出てきたイソギンチャクは まるであなたの様ですね。 イソギンチャクをあなたとするならば 私はクマノミでしょうか? あんなに綺麗ではないけれど あなたにとってのクマノミになりたい。 あなたが私を隠してくれるなら 私はあなたの養分にでもなりましょう。
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