チェンジ!

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しっかりと肩を掴んだ手は、とても 振りほどけそうにない。 「だめだよ、もう暗い。こんな所に君を 一人で置いて行けるはず無いだろう」 そう言う間にも、幸がさっき通ったばかりの ホールを、どんどん引っぱって歩いて行く。 なんで? どうして? こんなはずじゃ無かったのに。 幸は何度も、心の中で叫ぶ。 一方、 ホワイトデーのプレゼントは、 どのタイミングで渡すかな。 そんな事を考えながら、喜びに有頂天の男は、 意気揚々と人気の無い廊下を進んで行く。 可愛い彼女の肩を、初めて抱いた幸せを かみしめながら。 ハテナでいっぱいの、幸の胸の内には 気付きもせずに。 END
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