第1章 夏の朝…

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「お前ら、夫婦で登校かよ ほんとに仲が良いんだな」 クラスメイトに朝にこんな風に言われるのももう慣れたものだ 「そんなんじゃねぇよ、毎朝飽きもせず俺の部屋まで起こしてくるから成り行きで一緒に来てるだけだ」 しまった… 余計な事言っちまったか 「ほーう… 毎朝部屋まで起こしにねぇ…」 クラスメイトはニヤニヤしながらこちらを見て言う やっぱりかぁ… 俺は頭を抑え、自分の浅はかさを痛感する その横で茉莉の顔見ると頬を火照らせ俯いている コイツにとっても今回は恥ずかしかったか… 「ほら、授業始めるぞ 席につけお前ら」 ナイスタイミングだ先生 俺は心の中でガッツポーズをする 「それはそうと、夏休みまで1週間をきったが予定は決めているのか? 来年は受験なんだ、早いやつは来年の今頃は試験を受ける奴だっている きちんと予定を立てて夏休みを有意義に過ごすように まぁ、高校生活で楽しめる夏休みはこれが最後だろうから、楽しむのも大事だぞ 後悔はしないようにな」 そうか、もうそんな時期なのか 俺は就職するつもりだ うちの学校では大学に進学する者が多いらしいが、俺は早く仕事をして稼ぎたいと思っている
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