第1章 夏の朝…

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茉莉はちゃんと考えているのだろうか ふと、茉莉を見ると眉間にシワを寄せながら唸っていた アイツも自分なりに考えているのだろうか 進学にせよ就職にせよ、茉莉と俺は離れる事になるかもしれない 今はまだそんな事は考える事が出来ないが… そうして1日が過ぎ、いつものように茉莉と2人並んで帰り道を歩く 「裕之はさ、もう卒業したらどうするのか決めてるの?」 「俺は就職にするよ 早く仕事をして稼ぎたいしな」 「そうなんだ 私はまだ決めてないんだぁ、進学にしようかなとは思ってるんだけど、どこに進学しようかってとこで迷い中」 あの眉間のシワは就職か進学で迷ってたわけじゃあなかったのか 茉莉は俺よりも頭がいい だからきっと行こうと思えば大抵のところには行けるのだろう 「自分が行きたいと思った所に行けばいいさ」 「行きたい所が分かんないっていうか、自分が将来何をしようと思っているのかが分からないんだよねー」 俺もそうだ 就職したいとは言ってもどんな職に付きたいのか、自分が何をしたいのか分かっていない ただ就職したいと言っているだけなのかもしれない
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