入学

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「そういう事なら大歓迎だよ!俺はバスケ部部長の江傍祐二(エハタユウジ)だ宜しくな。」 江傍先輩は嬉しそうにしている 入学式当日から新入生が仮入部に来てくれるとは思っていなかったのだろう しかし俺の荷物が少ないのを見て訝しげな顔になった 「シューズや着替えはどうしたんだ?もしかして初心者か?」 初心者ではないですよ、と言った俺は申し訳なさそうな顔を作り目線を下に向ける そして落胆しているような悲しそうな声で言う 「すみません…先ほどのホームルームで今日から仮入部出来ると伺ったので持ってきていないんです。家はここから10分程の所にあるのですが、間に合いませんか?」 この俺の様子に江傍先輩は狼狽えている 自分が美形であるのを自覚している龍玄は時折自身の顔を利用する 龍玄がこのように表情を作ると、何故か相手が悪いことをしているように感じるのだ 「え、あ、でも10分程の距離か…今部員達は昼食ってるから取りに行く時間位あるな。今から30分程で部活開始だから急いで取って来いよ。」 急げよと、笑いながら言う江傍先輩にありがとうございます、と爽やかな笑顔で告げると俺は急いで家に帰った .
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