入学

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なるべく急いだため、往復で15分程度しか掛からなかった 体育館に戻って来た頃には多くの先輩方が集まっていた 練習着に着替えシューズを履く 準備が終わると一人の先輩がこちらに寄って来た 「よお、お前が入学式当日から仮入部に来たイケメン君か?」 からかうように笑っているその先輩の言葉を笑顔で流す 学校と言う場所で人に話しかけられると笑顔を向けてしまうのは龍玄の一種の癖だ 仮面の様に笑顔を張り付け、爽やかなスポーツマンとしてのキャラを作る 本当の自分と真逆のキャラを演じるのは、それなりに楽しかった 「イケメンかどうかは知りませんが…俺が今日から仮入部させて頂く小倉龍玄です。」 俺は笑顔を崩さずに自己紹介をする すると先輩も笑いながら自己紹介をしてくれた 「ははは、まさに爽やかを絵に描いたような奴だな。俺は長谷川滉介(ハセガワコウスケ)、バスケ部で唯一の三年だ。あ、部長と副部長は二年な。一人しかいない上級生の俺が『部長とか副部長なんて出来ない』って言ってこうなったんだ。」 バスケ部の三年生は長谷川先輩だけらしい 元々その代は長谷川先輩しかバスケ部に入らなかったそうだ .
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