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きっとこんな適当な理由で推薦を蹴ったことが理解出来ないのだろう
しかしそれは、俺にとっては死活問題だった
夜はバーに行ったり、適当な人と毎晩一緒に過ごしていた俺は、その時間を無くすことをしたくなかった
学校が遠いと帰りが遅くなりバーなどに行く時間が無くなってしまう
自身の精神安定剤的な、唯一リラックス出来るその時間が無くなるなんて考えられない
いや、考えたくもなかった
ざわざわとしていた空気が収まってきた
ある程度先輩方が落ち着いて来ると、江傍先輩が号令を掛けた
「よし、じゃあ自己紹介も済んだことだし練習始めるぞ!」
彼の言葉に、弛んでいた空気が引き締まる
全員の顔が真剣なものに変わった
「「「おす!!」」」
男性特有の低い声が体育館に木霊する
江傍先輩が練習を始める前に声を掛けてきた
「あ、小倉は久々の部活だろうから無理しないようにしろよ。感覚が戻らないうちに無理すると怪我すんぞ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
俺の返事に満足したのか、江傍先輩は笑っていた
じゃあやるか、というと彼は俺から離れていった
そして久し振りの部活で楽しみな俺は、動き始めた先輩方と一緒に練習を開始した
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