夜の顔

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23階建てのマンション そこの最上階の一番端が俺の家だ 3LDKであるが、1つ1つの部屋が広く15畳はある リビングは確か20畳を超えていた筈だ その大きな家には最低限の生活必需品と電化製品、俺の物以外何もない 他の物は親が全て持っていってしまった 親が海外出張に行ったのが今から3年前の事だ この広い家で一人で暮らし始めて3年、それから一回も親と顔を合わせていない 親二人は仲が良いが、俺のことは好いてはいなかった 夫婦で過ごすのに邪魔だと思っていたんだと思う 一応育てては貰ったが、そこに愛情を感じたことはない 居ないものとして扱われていた それが当たり前だと思っていた俺も俺だが 両親はもう日本に帰って来る気は無いと言っていた この家も高校生になったら俺名義に変える、とも言っていたからもう変わっているだろう この家を俺に渡し、学生のうちはお金を出してやるから邪魔者は縁を切れと、いうことだろう 日本に帰って来た時は違う家を買うと言っていたのを聞いたしな そんな昔の事を思い出しながら俺はシャワーを浴び、汗を流す シャワーを浴び終えた俺はドライヤーで髪を乾かした そしてシンプルな私服に着替える チノパンを履きシャツを着る その上から濃い色のカーディガンを羽織った .
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