日常

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体育館にはすでに先輩方が揃っており、一年生も4、5人程来ていた なかには初めて見る顔もいたが、殆どは前と変わらない顔触れであった 俺が笑顔で挨拶をすると、先輩や顔見知りになった同級生達も笑顔を返してくれた 挨拶で俺に気づいた長谷川先輩が、からかう様な笑みを浮かべながら此方へ歩いてくる 「よう、爽やか君。今日は遅かったなあ。何かあったのか?」 陽気な笑顔で長谷川先輩がけらけらと笑いながらいった そんな彼が言った “爽やか君” とは俺の事だ 初めて会ったときに、爽やかを絵に描いた様な奴だ、と言われてからそう呼ばれるようになった もっとも、呼んでいるのは長谷川先輩だけだが 「今日は役員決めが最後にあったんですよ。中々決まらない役職があって、長引いてしまったんです。」 苦笑いで言った俺の言葉に、長谷川先輩はドンマイと言いながら可笑しそうに笑っている ある程度笑いが収まると、先輩は笑いながらではあるが、意外そうに呟いた 「でも、役職が決まらなかったらお前とかが立候補しそうだけどな。しなかったんだろ?」 俺は困った様な笑みをしながら頬を掻く 答えようと口を開いたが、言葉を発する前に江傍先輩の号令がかかった そのため、曖昧な笑顔で誤魔化した俺は長谷川先輩と走って江傍先輩の元へ向かって行った .
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