日常

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集まったメンバーを見渡しながら江傍先輩が口を開く 「よし、今日はこれで全員だな。この二人は今日から仮入部することになった高橋君と多幸君だ。」 江傍先輩は2人にじゃあ自己紹介よろしく、と言うと後ろに下がった 緊張した様子で2人は顔を合わせると一言二言何かを囁き合い、高橋君と呼ばれていた方が先に話し出した 「高橋楽斗(タカハシガクト)です。大川第二中から来ました。よろしくお願いします。」 彼、高橋楽斗の言葉に俺は少し目を見開いた 大川第二中も地区は違うが坂ノ下中と同じく強豪校だ 大会の決勝や準決勝で当たることも時折あった 俺が一、二年の時は一度も当たることは無かったが しかし、最後の大会で全国に行く一歩手前まで行ったという噂は耳にした 坂ノ下中はその時運悪く、全国で一位二位を争う学校と県大会の二回戦で当たってしまったために全国に行くことは叶わなかったが そんな彼がこの高校に来たことに少し驚いた 大川第二中はここから電車で二駅程だ 自転車で来れなくもない距離だが、ここよりも大川第二中に近い場所にバスケの強豪高校がある 十分に推薦で入れるだろう 他の一年生や先輩方も驚いているようだ 長谷川先輩に至っては口元が引き攣っている .
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