日常

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午後の授業も終わりいつも通り体育館に向う 体育館では既に何人かが自主練をしていた 先輩方と同級生に挨拶をしたあと、いつも通り端で着替え始める まだ4月上旬であり肌寒い季節のため、タンクトップを中に着ており肌の露出は控えめである ただ、タンクトップから覗く腕や胸元はしっかりと鍛えられた筋肉がみられ、綺麗な首筋から鎖骨うなじとあいまって何とも言えない色気を醸し出していた ちらりとこちらを覗く同級生や先輩方の視線を気づかない振りをしながらヒリヒリと痛む隠れた背中に内心舌打ちをする 奏と有菜のやつ爪はたてるわ噛み付くわで跡残しやがって 見られたらどうすんだよ全く そんな事を考えて居るうちに着替え終えた龍玄は自主練をしようとボールを取りに行く 何を練習しようかと考えていると、ふいに後ろから声をかけられた 「よー、小倉も自主練?よかったら1on1しねー?」 低く心地良い声音に振り向くと同じクラスで仮入部している兼子蒼弥(カネコソウヤ)が立っていた 龍玄に勝らずとも劣らない長身に整った顔立ち いつも眠そうなとろんとした瞳が色気を醸し出している 無表情さが色気とあわさり、近寄り難い雰囲気を作り出していた そんな彼に龍玄はいつも通り親しみやすいその笑顔で接する 「ちょうどよかった。これから何の練習しようか迷ってたところだったんだ。オフェンスとディフェンスどうする?」 2人で自主練の内容を話しながら "こいつが同じ学校のやつで無ければ抱いてみたかった" と浮かべている表情とは似つかわしく無いことを考えていたのだった
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