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しかし、その直後、まるでタイミングを見計らったかのように通信が入る。
アルフレッドからの緊急通信だった。
「イセリナ様、こちらアルフレッド!緊急事態です!ブラックザナドゥ製と思われる機動兵器が突如襲来!現在、藤木社長、レディオスさんが迎撃中です!!」
その言葉に、イセリナの表情が驚愕に変わる。
「な…っ!?」
だが、驚愕はそこで終わらない。その通信に、更に割り込みが入る。
「こちらルーク、そちらへの帰還ルート上で正体不明の機動兵器の一団と遭遇、現在交戦中だ!」
通信の主は、かつての戦いでイセリナ達と共に戦った『次元竜』ルークだった。
このタイミングから考えると、敵はイセリナ、アルフレッド達の世界に現れた敵と同一であると考えていいだろう。
「そんな…この規模での同時攻撃!?」
イセリナの言葉と、割り込みが行われたルークからの通信で、アルフレッドが現状を悟る。
「…イセリナ様!まさか…そちらも!?」
「う、うん…その、まさかだよ」
そして、そのタイミングで、更に追い打ちをかけるかのように、再び別な通信が割り込んだ。
「こちらカーメン!こっちに正体不明の、恐らくブラックザナドゥ製と思われる機体が出現!無差別に破壊を繰り返してやがる!!
流石の俺も生身で奴らの相手は出来ねえ…救援を頼む!!」
通信の主は、金髪の男だった。同じくイセリナ達と共に戦った、カーメン=T=尾崎こと、ファラオ店長だ。
遠くから、拳銃の銃声が響く。ファラオ店長が、銃声の方に叫ぶ。
「…お、おい矢作警部、生身で無茶するな!!今度こそ死ぬぞ!!」
それに対し、男の声が返ってくる。
「だが…せめて視線をこっちに誘導すれば…一人二人は助かるだろうからな…!!」
「お前が死んだら結局犠牲者の人数は変わらねえじゃねえか!!」
そして、ファラオ店長は画面の方に向き直る。
「…で、出来れば、急いで救援を頼みてェ…」
そこまで言った所で、ファラオ店長も、様子がおかしい事に気付く。
「…が…まさか…!?」
ファラオ店長の問いに、イセリナは無言で頷いた。
「何て…こった…!」
ファラオ店長が頭を抱える。イセリナの方も、まだ現状がしっかりと飲み込めてはいなかった。
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