プロローグ 黄金の翼の女神

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「ようやく捉えたぞ!!お主が…お主が元凶か!!」 遥か彼方、境界を示す無限の地平を背に、銀色の装甲に身を包む機械仕掛けの騎士が、黄金色の光を纏った『何か』と対峙していた。 騎士の携える透き通った刀身を持つ剣が、まるで吠え声を上げるかのように鳴動している。それは、まるで倒すべき相手を騎士の操手へと示しているかのようだった。 「答えよ!!一連の宇宙群の…そして、あの男の故郷…命炎天の有様の…その元凶はお主か否か!!」 相手からの応答はない。代わりに、『何か』の手に更に強い黄金色の光が集まり、その光が、大槍として実体を成す。 「それが、答えか…ならば!!」 騎士が、携えた剣を両手で構える。 「どこまでやれるかは分からぬが…アークトゥルースよ…今一度、わしに力を貸してくれィ!!フェイトスレイヤー…リミッター解除!!」 その操手の令に応えるように、構えた剣が強い破壊の力を持った閃光を放つ。 「アンファース・インダストリアルが社長、シリウス=アンファース…いざ、参る!! おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーっ!!!!!!」 操手の堂々たる名乗りと共に、騎士は背の推進器の最大出力を以て『何か』へと猛進する。 「…愚かな」 たった一言、女性の声が響く。 …そして、その直後、白銀と黄金は、正面から衝突した…。
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