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そう、ジオカイザーに装備された、特殊な武装『高位兵装』である大斧ならば、恐らくは一撃ならば受け止められる。
…もし生きて帰れたらまた修理に手間がかかるなぁ…と、イセリナは苦笑しつつ、エーリッヒへと通信を入れる。
「…こっちは良いから、騎士団の支援に!一分一秒でも時間を稼いで!!」
「り、了解!!」
ジオカイザーの横を、エーリッヒの乗機が抜けていった。
「…ジオカイザー…行くよ!!」
ジオカイザーの携えた斧に、凄まじい閃光が集まる。
『高位兵装』は、『法則』の内容であるプログラム自体を構築する『根源的エネルギー』を攻撃に用いる、これまた、神の領域に片足を突っ込んだような武装だ。
一撃でも受け止められれば、その分住人を避難させる時間は稼げる。
イセリナは静かに頷き、眼前の『切り札』を睨む。敵は、次元閉鎖破砕砲の発射準備を完了していた。
「…来い!!」
少女の容姿ながら、眼前の悪魔のような敵相手に一歩も退くことなく対峙するイセリナのその姿は、紛れもなく、勇者と呼ばれる者のそれだった。
そして、それは、かつて『彼女』が、イセリナに見せた姿でもあったのだ。
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