プロローグ 黄金の翼の女神

9/28
前へ
/90ページ
次へ
次の瞬間、黄金色の閃光が、敵機の一体を真っ二つにしていた。 エーリッヒが、冷や汗をかく。 「く、この推力…何と…何と扱いにくい機体だ…機体を制御するので精一杯か…! だが…この力を使いこなせたならば…簡単に負けはしない!使いこなしてみせる…騎士団長の誇りに賭けて!!」 「その意気だよ!」 ジオカイザーが、エーリッヒの乗った機体の横を抜ける。 「…さぁ、どんどん行くよ!!」 斧の一撃が、敵機を二機纏めて両断する。 直後、背後に回った二機の敵機が、ジオカイザーに向けてミサイルの雨を放つ。 「くうっ!」 ジオカイザーは、そのまま前進し、反転する。 「ミサイル、オールロック…迎撃する!!」 ジオカイザーの機体各部から放たれたレーザーの弾幕が、ミサイルを叩き落とす。 「ええい!ジオ・ブレイカーッ!!!」 ジオカイザーの腕のドリルが敵機をぶち抜く寸前、敵機は左右に散開し、それを回避する。 「く、っ!?」 そして、左右に散開した二機が、腰部に差した光学ブレードを展開して突っ込んでくる。 「何の!」 ジオカイザーが推進器を操作して、まるで宙返りするかのように二機を回避する。 「そこだ、行けぇっ!!」 そして、ジオカイザーは頭を地面側に向けたまま、つまり上下が逆さの状態で、その下にいる二機に向けて機体各部からの一斉射撃を行った。 至近距離からの直撃を受けた二機の敵機が、爆散する。 「…よし!」 一方、エーリッヒの乗機に対し、光学ブレードを構えた三機が、三方向から同時に攻撃を仕掛ける。 「成る程、良く統制が取れている…我が騎士団が苦戦するのも頷けるな…だが!!」 前方からの一機を剣で受け流し、斜め後方の一機の一撃を銃床で殴りつけて防ぎ、もう一方の一撃を、敵機の胸部を蹴り飛ばす事で防ぐ。 「でええええええやああああああああっ!!!」 そして、剣を強引に振り切り、三機の内の二機、蹴り飛ばされた以外の敵を真っ二つにする。 更に、蹴り飛ばされた機体にはアサルトライフルの銃弾の雨で追撃し、更に剣を叩き込んで止めを刺す。 エーリッヒが、残る敵機を改めて確認する。敵機は未だかなり多い。 「…厳しいな…だが、負ける訳には行かぬ・・!!」 黄金色の煌きが、敵機の軍勢目掛けて襲い掛かった…。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加