違和感

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自分もこのルールに納得する事にした。 「このルールで大丈夫か?」 勇気さんは優しげに訊いてくる。 「大丈夫です。でもボールは どうするんですか?」 自分達はボールを持っていないのだ。 コートに向かって勇気さんは笑顔で前を歩く 自分もその後に付いていく。 コートに入ると、ボールが一つ置かれていた。 「ツバサ、最初は攻めと守備どっちが良い?」 勇気さんはボール持って訊ねる。 「最初は守備でお願いします」 自分も楽しげにこたえた。 所定の位置に立つと、勇気さんは素早く ボールをドリブルをしてボールをリングに 運んだ。ゴールだ。あまりの速さに唖然とした。 「ツバサ、悪い。俺はバスケット歴10年だった」 いくら何でも、実力差が激しいと思った。 今度は攻めなので、頑張りたい。 ボールを勇気さんから渡されて位置につくと、 ドリブルをして突破しようとしたが、 勇気さんが前を塞いでいた。 とっさに身体が勝手に動いて勇気さんをかわして ダンクを決めた。 これには勇気さんも驚いた様子で、 「ツバサ、お前も経験者だったのか。 次こそは止めるからな」 こう述べた。勇気さんの顔は戦闘モードだった。 ボールを勇気さんに返して位置についたら、 今度もドリブル突破で来たが身体が反応して 勇気さんのボールを手ではじいた。 数え切れないほど攻守を繰り返した。
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