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二人とも完全に息切れ状態だった。
「ツバサ、もう終わりにしよう。
これ以上やっても無意味だ」
「勇気さん、そうしましょう。
時計を見たらもう3時ですよ」
公園の時計の針は3時を指していた。
二人でコートに倒れ込み呼吸を整えた。
「ツバサ、ぎりぎり俺の勝ちだな。
お前さんには俺の言うことを聞いてもらう」
勇気さんは上機嫌で述べた。
「勇気さん、聞いてませんよ。そんなこと。
記憶喪失の自分に何を求めるんですか」
確かにスコアでは一本差で負けてるが、
約束はしていない。
「ツバサ、お前には当分の間、俺の家に泊まって
もらう」
正直、意外な提案だった。さすがに、今日中に
記憶が戻るとは限らない。嬉しい提案だった。
「いいんですか?自分みたいな見ず知らずの人を
泊めて」
自分がこう述べる。
「見ず知らずじゃないだろ、友人だろ。
良いに決まってるじゃないか」
勇気さんは笑い声でこう述べた。
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