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それを聞いて嬉しさがこみあがってくる。
「はい、お世話なります」
こう述べると、笑顔になった。
自分達は呼吸が元に戻ってくると、
同時に立ち上がった。
「ツバサ、一回家に帰ろう」
勇気さんは嬉しそうな声で述べた。
頭を縦に振ってこたえた。
勇気さんはボールを置き、公園の外に出て、
真っ直ぐな一本道を歩き出す。
自分もその後に付いていく。
「なあツバサ、何か思い出したか?」
勇気さんは歩きながら質問をしてきた。
「まだ具体的には何も思い出せません。
すみません」
自分も歩きながらお辞儀をした。
「謝るほどの問題じゃないよ。俺は確信した。
インターハイに出たことがある俺が今まで戦った
中で最もツバサは強い。
ツバサはきっとバスケットボールで有名だったに
違いない」
勇気さんはこう述べた。
その声は自信満々とまでいかないものの、
何か確信を得たように聞こえた。
そもそもインターハイとは何なのか
分からないが、自分の記憶を取り戻す
ヒント得られた気がして嬉しかった 。
5分ほど歩くと、勇気さんは足を止めた。
「ツバサ、ここが俺の家だよ」
勇気さんは少し低めな声で述べた。
家は周辺の家と比べて何も変わらない大きさで
色は黒一色だった。
勇気さんは家の鍵を開けると
ドアを開けて中に入っていく。
「お邪魔します」
と述べて家に入る。
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