デジャブ

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建物の中に入ると、それは伝統を感じさせる ような装飾がなされていた。 勇気さんは馴れた様子で進んで行く。 それを後ろから自分が慌てながら付いていく。 突然、勇気さんが止まると、申し訳なさそうに述べた。 「悪い、歩くのが速かったな。 いつもの癖で歩いてしまった。 ここが教授の研究室だよ」 そう述べた後、ノックを三回して失礼します、 述べてドアを開けた。 ドアを開けると、部屋は本が沢山散らばっていた。 本以外何も無いように見える。 「ここには誰もいないね」 自分が述べると同時に、 勇気さんは沢山本が積み重なってる所をどかし始めた。 「やぱり、ここにいたか。レポート持ってきたぞ」 そう述べると、鞄から紙が入ったファイルを床に置いた。 勇気さんが部屋を出ると、本に埋もれた老人の姿を捉える事ができた。 「助けなくてもいいの?」 と訊くと、勇気さんは笑いながらこたえた。 「大丈夫、いつもあの状態だから。 それより、次は事務室に行こう!!」 そう述べ、廊下を歩いていった。 その後を付いていく。 事務室に着くと、勇気さんは事務室の受付の人に こう訊ねた。 「後ろにいる人はうちの学生かどうか調べてくれませんか?」 述べた後、自分は受付の人の目の前まで近づいた。 受付の人も驚きながらもちゃんと対応してくれた。 「確認するのに15分掛かりますので少々お待ち下さい」 それを聞いて、二人で15分間ただ待ち続けた。
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