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大学を出てから約15分ほど歩くと、
勇気さんは足を止めた。
「ツバサ、着いたよ。ここが俺の行きつけの
店なんだ」
勇気さんが指を指した方を見ると、
そこにはイケイケラーメンと書いてある
店があった。
勇気さんが慣れた手つきで店のドアを開け、
店の中に入っていった。
自分もすかさず店の中に入っていくと、
そこには、店の名前に反して
いかつい顔の店主が厨房に立っていた。
「おう、マスター元気してた?
今日は友人を連れてきたぞ」
勇気さんがそう述べると、店主は
「ゆうちゃん、オラは元気だぜ。
というか、昨日も来てただろ」
店主は笑顔でこう応えた。
だが、自分を見た瞬間、表情が変わった。
「ゆうちゃん、その子は兄弟かい?
いくらなんでも、ゆうちゃんに
そっくり過ぎないかい?」
店主は怪訝そうに訊くと、勇気さんは笑いながら
こう応えた。
「確かに、似てるけど兄弟じゃない。
俺に兄弟がいないことは
マスターは知ってるだろ」
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