0人が本棚に入れています
本棚に追加
季節は春。
先生は教壇に手のひらをつき、穏やかに微笑み生徒を諭す。
友人へ別れの言葉を、と。
非常に残念なことだが、クラスメイトと共に卒業を迎えられなくなった女生徒。
寂しい
絶対忘れない
ずっと友達だ
教室は涙で別れを惜しみ、彼女の瞳にもまた透明な液体の膜が出来た。
本当は皆と共に制服を脱ぎたかっただろう。
もう少しで卒業だったのに、本当に残念である。
黒板いっぱいに惜別のメッセージが書かれた彼女だけのための卒業式。
「バイバイ」
その声を合図に、全生徒が立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!