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バレントはカヒムと一対一で話したいと申し出ました。
しかしトールは心配して、玄関まで付き添うことになりました、
カヒム達は、バレントの屋敷へ向かいます。
目隠しをされ、車で1時間ほど移動しました。
ついた先は王様が住んでそうな立派な宮殿でした。
その宮殿とも言える家が、バレントの数あるうちの別荘でした。
ここの玄関でトールは待つことにしました。
カヒムは何重にもボディーチェックを受け、また目隠しをされ、バレントの書斎まで案内されました。
「やぁ、君がうわさのカヒム君か。いらないものを欲しくて、いらないものを交換しているみたいだね」バレントは笑顔で言いました。
「はい。バレントさん、あなたのいらないものってなんですか?」
「うん。いらないものはある。が、まだ来るのに時間がかかってる。ちょっと話しをしようか。君の内戦の責任者の地位を欲しいから、交換しよう」
カヒムはうなづきました。そして、気になっていることを聞きました。
「バレントさん、どうしてあなたはビクビクしているんですか。それに顔もドクロの仮面をつけています」
バレントは言いました。
「すまないね。わたしは顔や声も……声も本当の声じゃないんだ。わたしの素性がバレるのはこまるんだ。全ては私が今までやってきた仕事の恨みつらみなんだ」
「バレントさん、なら仕事をやめたら良いんじゃないですか?内戦の責任者の地位はいらないでしょう、今の素性がわからない方法で仕事をやめたら良いんじゃないですか?」
バレントはけらけら笑い声を上げます。
「君、やっぱり面白いねえ」
「そうなんですか」
「正直な所、わたしは世界でも有数のお金持ちなんだけれど……あまりいい生活は送ってない。世間から見れば、うらやましいだろうが……ちっとも楽しくないんだ」
「なら、いらないものなんですか?それらのものは?」
バレントはふーっとため息をつきます。同時に、強烈な電子音が鳴り響きました。
「いらないけど、いるものなんだよ。わたしの仕事と同じようにね……どうやら、今ドアの前にいるようだ。迎えてあげないと」
仮面の男は立ち上がり、ドアを開け新たな客人を迎えました。
客はカヒムと同じくらいのきれいな女の子でした。
バレントは言いました。
「紹介するよ。わたしの娘のトスカナだ。君の内戦の責任者の地位と交換するものだ」
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