カヒムという少年

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ロゼおばさんから、財布と穴のあいたバケツを交換したカヒムは、もっといらないものがないか近所を探し歩きました。 そんなカヒムに、声をかけるものがいました。 カヒムより3歳年上のアヒージョお兄さんです。 アヒージョはカヒムに言います。 「やぁ、カヒム。どうして穴のあいたバケツなんて持ってるんだい?」 「うん。僕今世界で一番いらないものが欲しいんだ」 「変わってるな……なあ、そのバケツ僕にくれないか?そのかわり、近くのケーキ屋のサービス券をあげる」 「うん。いいよ」 「やった。そのバケツ、作品作りに使うんだ」 アヒージョの夢は芸術家です。 カヒムはサービス券とバケツを交換しました。 近所のケーキ屋のサービス券は、つかえる日にちを過ぎていました。
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