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笑い姫は、これまでに色んな面白い物を見てきたので、次々と出される出し物も、どこか見たことがあるものばかり。
宴は3日間休む事無く続きましたが、笑い姫を満足させる者は、なかなか現れません。
そこで王様は、隣の国までお触れを出し、面白い者を次々に呼びつけました。
しかし、4日目になっても、5日目になっても、笑い姫を満足させる者は現れませんでした。
とうとう宴は6日目に入り、国の人々はもはや誰も笑い姫を笑わせる事は出来ないだろうと諦めていた時です。
広場の中央に、腰布だけを巻き、頭はぐしゃぐしゃ、体は汚れて土まみれ、裸足でオロオロと歩く、笑い姫と同じ年頃の少年が現れました。
少年はニコリとも笑わず、逆に今にも泣きそうな表情で、広場を歩き回ります。
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