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ーこの男は凄く怯えている、お前が仲間にしようとしても拒絶する、すぐに邪悪な奴の手下が来て捕らえられて、邪悪な奴に食われる、どうせ殺される、邪悪な奴に食わせてはならないー
ー邪悪な奴とは誰ですー?
ー邪悪な奴が、この世界を消滅させたい理由だー
ー分かるように教えて下さいー
ー何も考えずに従うのではなかったのか? 知りたいのが当たり前の気持か、教えてやるー
健太が申し訳なさそうに頭を下げた時、男のいる方からどかどかと人の走る足音が聞こえた。
四人程の人間が男の前に現われ、取り囲んで男を担ぎ上げ走り去った。一瞬の出来事だった。
ー捕られてしまったー
皆は黒豹の独り言を感じた。
ーぐずぐずして男を捕られてしまった、理由を教えなかった私の責任だ、教えるー
黒豹から教えられた理由は非現実的で、にわかに信じ難い内容であったが、健太は全てを信じた。
今の自分のいる状況が非現実そのものだから。
健太は頭を整理する為、又備忘録として、内容と自分の思いをまとめて手帳に書いた。
健太はこの世界と、消滅させる理由のおおよそを理解した。
書き終わって、死後の世界、霊魂の概念を持たぬドゥンヌが理解出来たのか気になった。
理解したとは思えない。ワスレがどうかは分からないが。
確認すべきだと思った健太は二人を見た。
イメージを送ろうとして、黒豹の名前を聞いていないことに気付いた。黒豹に聞いた。
ー私に名はない、私の姿をイメージすれば良い、その為に姿を創ったー
健太は黒豹の名前を思う代わりに姿を思った。イメージに自然に黒豹様と名前が貼り付いた。
ー黒豹様の話、分かったか? 死んだら何もなくなる世界にいるドゥンヌには分りにくいよね。俺はこう感じたー
健太は備忘録の内容の一部を見て、まず、確認用に黒豹の説明をイメージして送り、次に自分の思いを送った。
ーこの世界は生き物の霊魂を食らう為、邪悪な強大霊魂が作った世界、お前達も食われる為にこの世界に引き摺り込まれたー
ー黒豹様のイメージの邪悪と言う言葉から、許せないイメージが伝わって来るー
次に霊魂の部分を送った。
ー霊魂は磁力、重力等と同様に固有、不変な力、エネルギーを持ち、宇宙空間に普遍的に存在する意識であり、持つエネルギー量により格、能力が決まるー
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