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ー分からないが分かった、ケンタの説明が真実、そう思い込むー
ー黒豹様を助けて、邪悪な奴をやっつけて、元の世界に戻ろうー
健太は目的を明確にして二人を鼓舞した。
黒豹はかすかな脳波でも感知出来る為、人間が何処にいるか把握している。
強大霊魂も当然に人間の所在位置を知り、この世界に引き摺り込んだら時を置かず、支配している人間を急行させその人間を捕獲する。
捕獲されずに生きていられる人間は、捕獲する側の人間か、捕獲する人間に勝った戦闘能力の高い人間である。
黒豹は三人を引き連れ、ある地点に向かった。その場所に到着すると黒豹は立ち止まった。
殺気とは正反対な、和やかで楽しい気分が伝わって来るのを健太は感じた。
伝わると言うより、辺りの空気がそんな色に染まっているような感覚だった。
何故か健太も染まったように、和やかな気分になった。
ドゥンヌとワスレを見た。二人もそんな表情をしていた。
前方に四人の人間の姿が見えた。
二人はワスレと同じような体つきをしていて人種的に似ている。同じ世界の人間か。
後の二人のうち一人は痩身で手足が長く顔が小さい。
もう一人は、身長は少し低い。
女っぽい感じはあまりないが、肥満ではない程度のふくよかな体形から、健太は女ではないかと思った。
それぞれの世界に似たような人間が生きている。性別も同じ筈だ。
黒豹が健太の思念に反応した。
ーそうだ、種類が女だ、邪悪な奴は霊魂のエネルギーがより大きい生き物を引き摺り込む、女は他の生き物が持っていない力を持っている、他の生き物の気分を動かす力だ、元の世界では、それ程力は強くなかったが、教えたように、この世界は生き物のパワーが強化されている、女の力が他の生き物の心に直接作用して、気分を動かす、他の三人は女を捕らえようとして、気分を動かされ女の守護者になったー
ー気分を支配されるのはまずいですよー
ーあいつは清い生き物、気分はいつも楽しく生きること、他の生き物の気分も楽しくする、これから大いにお前の力になるー
何を教えられたか覚えていないとドゥンヌがイメージを送って来た。健太は以前と同様に、備忘録を見て、そのままの内容を2人に送った。
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