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「琥王。土産。
保冷剤を入れてきたけど、牧場の取れたての牛乳」
琥王は、いつも牛乳を飲んでいた気がした。
「牛乳……?」
椰弥が、吹き出して笑っていた。
「琥王、いつも薬師神君の前で牛乳飲んでいたのか……健康的!」
「薬師神のパンに合うからだよ」
俺は、琥王のことは何も知らないのかもしれない。
こうして、妹と喋る琥王は、どこか別人に見えた。
「じゃ、土産を渡しに来ただけだから。
俺、これから出かけるし」
玄関を出ようとすると、琥王が素足のまま走ってきた。
「待った。どこに出かけるの?」
「荷物の整理だよ。
本棚とか、購入してしまって整理しろって怒られている」
塩冶様が運搬を手配してくれていたのだが、
大黒が、自分が頼んだものだからと、全部引き取ったのだ。
そして、俺は大黒に整理しろと怒られてしまった。
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