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「ああ、同じ部屋に泊まっている。
帰って来たばかりで、風呂に入っていた」
どうして同じ部屋なのか?どうして、そんなに遅い時間なのか、
琥王から質問が次々にやってきた。
「仕事」
俺が、そう言って電話を切ると、再び琥王から電話が掛かってきていた。
仕事以外ではない。言い訳も考えたくない。
電話の電源を切ってしまうと、大黒の電話が鳴っていた。
「……琥王からだね」
大黒は、全く気にせずに鳴らしていた。
「明日、加地家の庭にタヌキを設置してから帰る。
もう手配はしている」
加地の家は、戦国時代に戦に負け、
戦没者を弔う事さえも禁止されてしまった。
でも、庭の石を墓石にみたて、供養していたのだという。
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