第七章 庭に咲く生首2

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 そこにウメがやってきた。 ウメは、庭と過ごすうちに、 自分の祖先の血が出てしまったのだという。 ウメは、やはり戦国時代に、加地家に息子を殺された挙句、 取り潰された家の家系であったのだ。 「過去の因縁って、残っているものなのですか?」  大黒が、足を痛がっていたので、俺はマッサージしてしまっていた。 「そうだね、残っているけど、本来は影響は薄い。 取り込まれるなんてことはない」  大黒も、相性を見るので、あれこれ見てはいるのだそうだ。 「しかし、薬師神。マッサージ、うまいよね」  治癒を使っているからだろう。 大黒は、動かない足を庇って、逆の足も痛めていた。
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