第八章 福来大黒二号店

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「ごめんね、琥王には家に残れと言うから。 今、椰弥ちゃんを一人にしたくない」  寂しい時に、一人でいるのは辛い。 「それ、じゃ。薬師神君も居てよ。私、薬師神君のこと、何も知らない。 琥王も余り言いたがらない、 今までの人は皆、オープンだったのに、悔しいよね」  言えない事が多かったのだろう。 「薬師神君、ウチの高校でも有名なんだよ。 森のくまの名物店員。でも、それ以上の事は皆も知らない」  どんな名物であるのか。 あんまり、詮索はしたくなかった。  俺の中学時代、小学校時代を知る人物もいるだろう。 でも、確かに言える人生は歩んできていない。
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