第八章 福来大黒二号店

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 テナント募集のビラが剥がされた場所は、元はコンビニではないだろうか。 コンビニにしては小さく、客が入らなかったのだ。  テナントの中に入ってみると、樹神の本棚が畳まれたまま置かれていた。  三階建ての建物の一階部分、隅の場所という立地条件で、 隣に高い塀があり、日当たりも悪い。 結構安価で借りられたのではないか。  大黒は、部屋の真ん中に、イスを置き壁を眺めていた。 「大黒さん、ここですか?」 「そう。塩冶に頼んだら、ここ、ずっと空き部屋で困っているから、 安価で貸すとさ」  しかし、立地条件はすこぶる悪い。
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