第八章 福来大黒二号店

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「片付け、どこからしますか?」  俺の荷物はどこなのだ。 「内装してから、頼む。 まず、薬師神、熊の木彫り、どうにかしてくれ。 樹神憑きとはいえ、今時、熊は飾らないだろう」  テレビの上にでも置いて欲しいが、 今のテレビは薄いので、熊は乗らない。 彫り直すにしても、俺は美術は苦手であった。 「……植木とセットにしてみます。 樹神ですから、いい具合になりそうです」 「なるかなあ……余計にひどくなりそうだよね。 まあ、薬師神、責任を持って売ってください」  売るとは考えていなかった。 「呼び出したのはさ、 ここが、福来大黒二号店、決まった祝いに食べに行こうよ。 奢るよ。 琥王と違って、厄憑きではないからさ」  ならば肉がいいと言うと、 大黒がどこかに予約してくれた。
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