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一袋、十キログラムから二十キログラムの粉の袋を運び入れながら、
パンを焼いてゆく。
小麦粉とくくってしまったが、その種類は多く、
又、芽実が産地にも拘っているので、又種類が増えた。
このパンには、この産地(メーカー)のものとか、
指定があるのだ。
「一弘君、薄力粉も運んでね」
夜の内に、準備もしているのだが、
朝の忙しさは、短距離走のスピードであった。
俺は、パンも焼くが、主に重労働も担っていた。
スケジュールを確認しながら、
次に必要な材料を取り出しやすいように並べておく。
「一弘君、食べたいパンはある?」
仕事の合間に、芽実が声を掛けてくる。
俺は、フランスパンの類が好きであった。
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