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俯いてビニールの中を覗き込んだまま、安藤が小さな声で何かを呟いた。
「何? 聞こえなかった」
「なんでもないわよ。 余計なお世話って言ったの!」
顔を上げて此方を睨む表情は、やっぱり不機嫌極まりない。
「あ、ストレスたまってんなら甘いものも買っときゃ良かった?」
プリンでも買ってやろうか?と茶化して言ったらそれこそ牙でも剥いて噛みつきそうな勢いで怒鳴られた。
「それこそ余計なお世話だっていうの! さっさと行けば?!」
「おお、じゃあな」
朝飯食わねえから、あんなイライラするんじゃねえの。
駅までの道を早足で歩く後ろ姿を見送ると、頭の中で今日の仕事の段取りを組み立てる。
少しでも早く、仕事を切り上げられるように。
End..
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