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2月もあっという間に過ぎ、南から桜前線は北へと上がっていく。
黒板のメッセージも私達が帰ったら消されてしまうのだろう。
ガラッ
そう考えているとドアが開く。
「あ、木南くん。」
「桜井泣いてんのか?」
「う…ん」
「俺は卒業ってもなんか実感ないな。桜井は寂しいのな。」
木南君とは入学してからずっと同じクラスで、いつか借りは返すからとよく宿題を見せてと頼まれていた。
「木南君。」
「ん?」
「宿題の借りまだ返してもらってない。」
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