山羊女:あらすじ

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高収穫性穀物の原因不明の一斉枯死により食糧危機を迎えた人類は、遺伝子操作によりセルロースを消化する腸を持った「山羊女」を作り上げる。しかし、「山羊女」の遺伝子を受け継ぐ男を作るための地下施設は、やがて忘れられた。 地下世界では男たちが目的を忘れた儀式を受け継いでいた。山羊女の住む宮殿は剣士達の衛兵区画によって囲まれている。赤く深い堀と高い崖の向こうは廃墟化する居住区だった。 居住区で少年とともに暮らす「おじさん」は、地下世界で唯一本を読み仕事を持つ人間だった。おじさんは少年を宮殿の図書館に連れて行く。 少年は「ガキども」と呼ばれる集団に絡まれる。が、ガキどものリーダーである茶色い髪の若者に救われる。若者は「学校」にも出入りしており、少年の存在には以前から気がついていた。 若者が本や文字に興味を持っていることを知った少年は、若者に文字を教える。ふたりは心を通わせる。 宮殿に行きたいと願う若者に、少年はおじさんとの秘密である宮殿への道を教えることができない。若者は一人で道を探しに出る。 帰ってきた若者は宮殿に至ることができなかっただけでなく消耗しきっていた。おじさんとの約束を破っても若者を宮殿に連れて行こうとした矢先、ガキどものひとりの暴走によって若者は命を落とす。 おじさんの元を去った少年は、男たちを導く指導者となり、地上の世界への帰還を目指していた。 男たちは少年の手を離れ暴走していく。堀を埋め、火を放つ男たち。 宮殿で山羊女と出会った少年は、居住区と衛兵区画の混乱を見下ろす。地下世界を守るために少年は、自らの命を投げ出し男たちの暴走を止めることを決意する。 しかし、時は既に遅く、地下施設=地下世界は炎に飲まれ酸素を失い、暗闇の中で終焉に向かう。 地上。彼方で細い煙が立ち上っている。木の下で眠る少女の前に立った男が少女の目覚めを待っていた。(終)
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