1章 僕の楽しい日常

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 そんな、壁にアニメのポスターが貼ってある階段を上ると中は何のことはない普通のアニメショップだ。    店の中を見て回りながら目当てのマンガ本をカゴに入れる。これが結構楽しい。    僕がただ一つ熱中している物だからか妹と一緒だからか分からないけど。    そして僕も妹も目的のマンガ本をカゴに入れてレジに並ぼうかと思った時だった。     「あれ?お兄ちゃん。それは買わないの?」    そう言えばお互いに何を買う予定なのか言ってたっけ。    タイ焼き買ったから買えないんだよな。     「あー、また今度にするよ」   「じゃあ、私が買う。    先に読んで良いよ」    なんて良いヤツだ。小学生の時なんて僕は妹からマンガを取り上げてたのに。    感動のあまり気付いたら妹に抱きついていた。     「この恩は一生忘れないぞ。カズ美ぃー」    周りの視線が集まってたけど関係なかった。     「お、お兄ちゃん。外でそういう事するのはやめてって言ってるでしょ」    そんな事を言ってるけど嫌がってる訳じゃないから僕は思い切り頬ずりした。妹のやわらかいほっぺたがたまらない。     「お兄ちゃん。そのうち捕まるよ」
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