1章 僕の楽しい日常

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 そんな訳で楽しい日曜日だった。     「どうだ?うらやましいだろ。元中」   「あー、うらやましいわねー」    答える元中の声は投げやりだった。ひとりっ子にこんな話をするのは酷だったか。まあ、あきらめてもらうしか無いか。     「それより次の日曜日にウチの倉庫の片付け、手伝ってくれる?    ちゃんとお礼は出すからさ」    む。何やら面倒な事を言い始めた。出切れば次の日曜日も妹と過ごしたい。     「ほら、僕って卓球クラブを探してて忙しいからさ。    この学校にはないし」   「もう2年生なんだから、あきらめなよ。    ってか本当は探してないでしょ?」    む。バレてたか。    まあ中学生の時までやってて高校に上がってもやりたいと思ってたのは事実だけど。    この高校はスポーツに力を入れてるから、まさか卓球部が無いとは思わなかった。地味だからかな?     「でもバイト禁止だろ?この学校」   「先生には言ってあるからさ。    お願い。他の男子は部活あるって言うし麻倉しかいないの」    そう頭を下げられて悪い気はしないけど、やっぱり面倒だ。    なんとか断りたい。
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