1章 僕の楽しい日常

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「でも何で倉庫なんて片付けるんだ?」    とりあえず話をズラしてみた。     「ウチってプラモ屋なんだけど、お店で売るだけだと、ちょっと苦しいから通販も始める事にしたの。    それで倉庫を片付けて、そこに商品を置いておくスペースが必要になったの。    ヒマなら良いでしょ?人助けだからさ」    そう言えば僕の向かい側もプラモ屋だった。狭い路地をはさんだ真正面だからジャンプ力があれば一歩で行ける。    まあ、そこは元中の家じゃないだろう。店名が松田模型店だし、中学生くらいまで通ってたけど中には男の店員しかいなかった。     「それで、どうするの?」    いかん、別の事を考えてしまった。    早く断らないといけないのに僕はうなるだけだった。     「女子の部屋って見てみたくない?」   「何っ!?」    女子の部屋だと?思春期男子の僕が見たくない訳ないじゃないか。    クラスメートの女の子のプライベートルームか。思いっ切り中にダイブして、においをかぎまくってやる。     「よし。乗った!詳細は?」   「いや、そんなに食いつくとは思わなかったけどさ。    日曜日の朝8時にN町駅に。自転車で、汚れても良い服でね。昼食付きだけど、飲み物は持って来てね」   「分かった。楽しみにしてるからな」    僕は携帯電話に日程をメモした。
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