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「それは良いんだけど、あんた本当に妹と仲良いわね」
そこで僕は携帯電話を取り出し、待ち受け画面を元中に見せる。ボロボロのガラケーだが、その待ち受けはメガネとツインテール姿の我が愛する妹だ。
「可愛いだろ?」
それを見た元中は苦虫を噛み潰したような顔をしている。
そんな顔をするのはどう言う事か少し考えないといけなかった。
そうか。こいつ、ひとりっ子だっけ。
「あ、僕にだけ妹がいるなんて不公平だよな」
「別に麻倉の妹の事はどうでも良いわ。それよりちょっとたのみが…」
嫉妬してるのか何なのか知らないが元中は許されない事を口走ってしまった。
「僕の妹がどうでも良いなんて聞き捨てならないぞ」
どう反応すれば良いのか分からず言葉も出ないようだが、そんな事を言われれば、次のページは日曜日の出来事にせざるを得ない。
妹の紹介がまだまだ不充分だし。
「私の紹介の方が不充分よ!」
こいつは、わめくが問答無用だ。僕の妹を全面に出す方針にしたいと思う。
「ちょっと麻倉!私の用事がまだなんだけど!?麻倉?」
「それは後まわしだ。
妹の登場シーンはなるべく多くしないといけないからな」
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