1章 僕の楽しい日常

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 狭い路地からアーケードに出る。    ここも人が密集していた頃が嘘みたいに買い物客が激減していた。まあ僕にとっては歩きやすくなっただけだけど。    目的地はEチェーンの裏にあるアニメゾクという僕らアニメオタクを相手にした店で距離的には、ここからすぐアーケードから出られるから、そこから行った方が近いが、なんとなくアーケードの中を通る事になった。    夏の日ざしをさえぎってくれるのもあるかも知れない。     「だいたい最近のオタクはレベルが低くて話にならない。    キャラの台詞とプロフィールは全て暗記するくらいの気持ちがないと…」   「私たちだってまだ学生だし、最近のオタクってトシだよ。お兄ちゃん」    そんな会話をしつつ歩く。      少し生意気な事を言われてしまったけどカズ美は背が低かった。    それで話す時は僕の顔を見上げる訳だけどその表情がなんとも言えなかった。    メガネも僕が選んだ物だ。なかなか似合ってると思う。その下に眼帯をしてるけど今は目にアザがあるから外しちゃいけないだろう。    あと、カズ美は服にあまり興味を持たないがまだ中学生だからだろう。高校生になったら僕がコーディネートしてやろう。      ふとカズ美がガラスに写った自分を見て表情を曇らせた。     「どうしよう。私、眼帯なんで」   「ん?眼帯がどうした?」    少しの間。     「眼帯なんてしてたらゴスロリしか着れない」    何だったんだ。さっきの間は?     「いや別に何の服でも良いだろ」    たまに変な事を言うヤツだ。      話してるうちにアーケードを出る。普段はアーケードの中のアニメショップに行ってるから少し歩き疲れた。image=498804310.jpg
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