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「あったぁ!」
「俺も!」
合格発表の板の前、受験票を見ながら、俺と舞子は歓声を上げた。
あの日、俺が口走った『一緒の高校に行かないか』という提案。
今から志望校変えるとなると、絶対周りはあれこれ云う。だから今よりちょっとだけランクの高い高校にして、猛勉強して絶対そこに受かろう。
そう続けると、舞子はこくこくとうなずいた。
それから二人で努力し、親も先生も納得させたこの高校を受験した。その成果が、貼り出された合格者一覧とガチする、互いの手の中の受験票の番号だ。
「これからもまた一緒だね。高校の三年間もよろしく、翔平くん」
嬉し涙をぽろぽろこぼしながら舞子が告げる。それによろしくとなと返しながら、俺は、頭の中で相手の言葉を一部訂正していた。
三年間じゃない。その先もだ。ずっとずっと、俺はお前の隣にいたい。お前に隣にいてほしい。
これを言ったら大泣きしそうだから、いつかのその時に取っておくけど、告げた時には今みたいに、いっぱい嬉し涙名がしてくれよな、泣き虫舞子。
泣き虫…完
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