第7話 ノンフィクション率25%

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 目の前に沈痛な面持ちの人々が立ち並んでいる。  これは非常に居心地が悪い。  こっちはやっと頭痛が治まってやれやれなのに、話はそれだけでは終わらなかった。  自分はどうも事故にあったらしい。  体は打ち身程度だが、頭をしこたま打ったらしいのだ。  まったく覚えていない。  そう、まったく、何も、さっぱりだ。 「日常生活には問題ないようです。その辺りの記憶はしっかりしていらっしゃいますから」  お医者のいう通り、自分は今、大変真っ白だ。  記憶喪失、らしいのだ。  人間関係に関しての部分喪失らしい。  そのために目の前に集まった『家族』や『友人』達は非常に深刻な表情なのだ。
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