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「はぁ…」
老人に生返事をしながら…
俺は、思い返す…。
今の今まで、自分が見ていた…
あの『夢』の中の風景。
見渡す限りの広大な砂丘。
笑顔で、たたずんでいた美しい女性。
あれは、どこの風景なんだろう。
あの女性は、誰なんだろう。
あの女性…顔の造りや肌の色からして、どう見ても日本人じゃない。
って事は、あの風景は、どこか外国の風景なのか?
もしかして俺は、過去に旅行か出張で海外に行ってあの風景を見た事が有るのか?
疑問ばかりが、
頭の中で膨らんで行く。
すると、
「ところで、アンタ。
住むとこ無いんじゃないのか?いろいろ思い出すまで、ワシと一緒に住むか?少し『家を増築』しなきゃならんが」
ノブさんはそう言うと、公園の隅の方をアゴでしゃくった。
そちらを見ると、
ダンボールで出来た小屋らしき物が有るのが目に入った。
ちょうど、小ぶりのテントくらいの大きさだ。
「は、はい!お願いします!そうさせて下さい!」
俺は、ノブさんに頭を下げた。
今の状況では、それしか選択肢は無いだろう。
「うむ!あい分かった!」
と、ノブさんはちょっとキリリとした顔になると…
「それじゃあ…
アンタの名前は、当分『マモル』って事で良いか?ワシが好きな芸能人の名前なんじゃよ」
と、俺の顔を覗き込んで、また笑った。
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